それでも強い!?紙広告の王様「新聞折込チラシ」の消費者利用状況調査

目次

  1. 新聞折込チラシを見ての行動・レスポンス
  2. 曜日ごとの新聞折込チラシとコミュニケーション
  3. 新聞折込チラシとWEBとの関連

新聞折込チラシを見ての行動・レスポンス

過去より、「紙メディアの効果測定」というのは、永遠の課題とされているように思います。 それに関連して私も先日、紙メディアの提案書を作成するために「紙メディアは生活者の方々にどのように使われているのか?」という情報を探していましたが、㈱ビデオリサーチがおもしろいデータを発表していました。

新聞折込チラシを見ての行動・レスポンス(全国新聞総合調査2020年度)

出典:「(株)ビデオリサーチ全国新聞総合調査(J-READ+2020)」をもとに加工

「新聞折込チラシを見ての行動・レスポンス(全国新聞総合調査2020年度)」という、全国の男女15歳~74歳の24,533人に1週間の日記形式で接触調査をしたものです。

まず、圧倒的に多かったのが、「新聞折込チラシを見てスーパーに買い物に行った」という回答が女性は81.9%で、男性でも69.7%もありました。毎日のスーパーへの買い物は新聞折込チラシの影響がかなり反映されている模様です。

また、その他にも「ドラッグストアへ買い物に行った」は62.4%、「衣料品量販店に買い物に行った」は61.1%、「ホームセンターへ買い物に行った」は55.4%となっています。日常生活に欠かせない「衣・食・住」に関連した商品の購入きっかけに新聞折込チラシは、強く影響していると言って良いようです。

ちなみに「飲食店に行った」という回答は38.3%でした。また、「新聞折込チラシに付いているクーポンを利用した」という回答は女性が38.3%で男性が28.1%とクーポンも利用されているようです。

一方、「不動産の新聞折込チラシを見てその物件を見に行った」は2.8%、「住宅展示場の新聞折込チラシを見て会場に行った」は2.9%、「人材募集の新聞折込チラシを見て、問合せや応募をした」は2.4%と、告知内容が一般生活者向けでなく特定ターゲットへの新聞折込チラシの影響は、他に比べて少ないようです。このような場合は新聞折込チラシを補完するメディアも必要かもしれません。

「目的に特化したターゲット」へアプローチする媒体の中に、「ルートメディア」というものがあります。これは、ある一定の共通した項目で編成されたメディアです。

例えば、不動産に特化したフリーペーパーやリフォームに特化したフリーペーパー、求人誌もルートメディアです。「釣り」、「ペット」、「映画」など趣味に特化したフリーペーパーもあります。フリーペーパー以外にも特定の場所(美容院、ホテル、旅行バスの中、幼稚園など)でのサンプリングや、特定の住居に配布するポスティングもルートメディアです。このルートメディアの詳細については、また今度、お話しさせていただきます。

曜日ごとの新聞折込チラシとコミュニケーション

さて、話を戻します。
新聞折込チラシでどのような行動を取ったかですが「新聞折込チラシを家族や友人と話題にした」という回答の全体は56.6%、女性は61.1%でした。新聞折込チラシは家庭や友人のコミュニケーションのきっかけにもなっているようです。

また、新聞折込チラシは「何曜日が多いか」についてですが、月曜日は8.7%、 火曜日は14.3%、 水曜は12.9% 、木曜日は11.5%、 金曜日は19.6%、 土曜日は22.5%、日曜日は10.5%(日本折込広告業協会 2022年3月)と、土曜日が一番多くなっています。

少し昔の話になりますが、我が家では毎週土曜日の朝食後に父親がたくさんの新聞折込チラシから“興味のあるもの”と“ないもの”に分け、興味のない新聞折込チラシは子供たちが順番に見ていました。 父親にとっての興味のないチラシは、お菓子や飲食店などですが、子供にとってはワクワクするものでした。

そして明日の外出先は、父親が見たチラシのお店の中から決定します。(食品スーパー以外のお店の選択権は父親にありました。)その後に私はチラシを隅々まで見て、「あれ買いたい」「これが欲しい」という追加の買い物の“おねだり”をしていた事を思い出します。

外食をする時もチラシで吟味した上でお店に食べに行くのですが、既に行列が出来ていて、待つのを嫌う父親の一声で、別の店になることが度々ありました。ホームセンターに行った時はチラシの商品が売り切れになっており、予定の商品より高価な商品を購入してしまい、結局目的以上の買い物をすることも多々ありました。
そう考えると、チラシはやはり集客装置のひとつでありますが、実際に手に取って“買い物かご”に入れてもらうには、お店(売り場)作りも重要だと実感します。

帰宅した後は購入した商品を一つずつ広げていきながら、家族で団らんする楽しい週末が懐かしい記憶ですが、最近の御家庭では、同じような時間を過ごしているのでしょうか?このような家族の時間が今でもあるとすれば、新聞折込チラシは、家族団らんの重要なきっかけと言えると思います。

新聞折込チラシとWEBとの関連

特に最近では重要視されている「新聞折込チラシとWEBの関連」ですが、「新聞折込チラシを見て商品・サービスの内容をインターネットなどで調べた(確認した)」という回答が24.6%ありました。新聞折込チラシできっかけを与え、告知内容の補完にWEBを利用するメディアミックスが、今では一般的になっているのではないでしょうか?

新聞折込チラシでは告知の量が限定されるのでダイジェストを告知し、詳細な情報は無限の告知量のホームページに誘導する。そうすることで生活者にさらなる興味を与える事が出来れば、見込み顧客の獲得につながると思われます。

このように小売り&サービス店への来店のきっかけ、家族や友人の話題作り、WEBへの誘導など・・・いずれにしろ紙メディアは、使い方次第では今も変わらず新たなきっかけを提供する重要媒体と言えそうです。
がんばれ!紙メディア!

この記事の執筆者:紙メディア研究所編集部

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