チラシ配りは、商圏適正化とメディア選びがカギ!

目次

  1. メインターゲット(40歳代)の集客を伸ばしたい
    1. 当研究所の独自ツール
    2. 組み合わせと配布方法
  2. 配布エリアの適正化とは?
    1. ある店舗のお客様の来店域(商圏)地図
    2. お店の来店域(商圏)に合わせた、推奨するチラシの配布エリア
  3. まとめ

チラシ効果の最大化を図るには、販促企画やデザインがもちろん重要です。ただ、その情報を届ける為のメディア選定や配布エリアの設定を間違えると、せっかくの情報がターゲットに届かない、もしくは到達コストの効率が悪い、という事が起こりえます。

当研究所では過去より、メディア選定と配布エリアの設定に、かなりの“こだわり”を持って取り組んできました。今回は、実際にクライアントからご要望を頂いた課題に対する提案事例を紹介したいと思います。

メインターゲット(40歳代)の集客を伸ばしたい

ターゲットの集客を伸ばすためには、当然の事ではありますが、チラシの情報を一人にでも多く“ターゲットに届ける”事が必要になります。 まずは、新聞折込チラシの各年代への到達率をご覧ください。

<J-READ+2021年度>【メディア評価シート】全国計より抜粋

40歳代男性の約40%の方に新聞折込チラシが到達しております。また、比較的、新聞折込チラシを読んでいそうな女性でも約50%という状況です。という事は、新聞折込チラシでは、合わせて約45%の方に情報を届ける事が出来ますが、残りの55%の方には残念ながら情報が届きません。その為、更にターゲットへの到達率を上げるには、よりターゲットへの到達率が高いメディアを選ぶか、新聞折込みチラシと別のメディアを組み合わせる必要がある、という事になります。

ただ、40歳代をターゲットにした場合、単独で新聞折込チラシより到達率が高いメディアを探し出すのは、非常に困難と言えるでしょう。

結果、別のメディアとの組み合わせが必要となる訳ですが、どうするのが最も効果的なのでしょうか?

当研究所の独自ツール

今回のケースでは、残念ながら有効な新聞未購読メディアが存在しないエリアが対象でした。しかし、「当研究所の独自データベースと分析ツール」(※)により、クライアントの店舗周辺でチラシを折込むことが出来るフリーペーパーが2種類存在することが分かりました。その内のひとつ“フリーペーパーA”は、この地域では比較的に折込単価が安く、発行部数も多く、記事内容は40歳代がメインという、今回の目的には非常に適しているメディアである事が分かりました(下記図のフリーペーパーA)。

※「当研究所独自のデータベースと分析ツール」については、後程別の記事にてご紹介予定です。

組み合わせと配布方法

“フリーペーパーA”単独でのターゲットへの到達率(約32%)は、新聞折込チラシにはやや叶わないものの、新聞折込チラシと“フリーペーパーA”を組み合わせる事により、確率論的にはターゲット全体への到達率を「45%」⇒「62.5%」と、大幅に引き上げる事が出来ます。(下図)

ただ気をつけないといけない点は、同じ日に配布しますと、同じ世帯に2枚のチラシが同時に入ってしまう事になりますので、それぞれの配布日を変える必要があります。そうすれば、新聞とフリーペーパー両方見ている人に対しても2回アプローチを掛ける事が出来、非効率も無くす事が出来ます。(下記図)

配布エリアの適正化とは?

もう一つの課題というのは、チラシの配布エリアです。

チラシの配布エリアを決める上で最も重要なのは、“お客様に来店して頂ける可能性があるエリア”、つまり、お店の“商圏”を把握したうえで、そのエリアに合わせてチラシを配布する事です。

そこで、当研究所で活用しているツールのもうひとつに、スマートフォンのキャリアデータ、いわゆるビッグデータを活用して、商業施設などに来店された方々が「どこにお住まいなのか?」を地図上で確認出来るツールがあります。

ある店舗のお客様の来店域(商圏)地図

※それぞれの町丁目の人口に対して、1年間に何%の人が施設に来られたのか?を表現しています。

お店の来店域(商圏)に合わせた、推奨するチラシの配布エリア

※来店率が高いエリア(サンプル地図では来店率10%以上のエリア)を対象として、配布エリアを設定した結果

そのツールにより確認した結果、この店舗は複合施設の中にあった為、商圏が非常に広域に渡っている事が分かりました。

理想的には、その商圏全域にチラシを配布する事が出来れば良いですが、その分費用も必要になってしまいます。そこで、チラシのコスト効率を重視し、来店率の高いエリアから順に推奨配布エリアとして選びました(地図上の「推奨配布エリア」)。その為、当研究所が推奨する配布エリアは店舗・施設毎により範囲が異なる事になります。

今回事例のクライアント様では、お客様の来店域(商圏)を全く把握出来ていない状態で配布エリアも感覚で決めておられましたので、これまでと比べると「CPA(コストパーアクション・・・一人のお客様がお店に来るという行動に対して必要となった費用)」を下げる効果が、十分に期待できるはずです。

この考え方をクライアント様に提案し、ご納得頂き、まずは40店舗を対象に実施する事が確定しました。(この実施結果は、後の機会にでもご紹介出来ればと思います。)

まとめ

チラシを配布する場合で重要な事は、
①ターゲットに合ったメディアの選定
②お店(施設)の来店域に合わせた配布エリアの適正化
であり、この両方を同時に組み合わせる事で、よりチラシ効果・効率を向上させる事が出来ると、当研究所では考えております。

最近では、「チラシの効果が下がってきた」という言葉をよく耳にしますが、それは生活者やターゲットに“チラシの到達率が下がってしまっている”ことが主な要因であり、生活者が“チラシ自体に対して興味を失ってしまった訳では無い”という事を誤解しないようにしなくてはなりません。

また、もしも同じような課題でお悩みの企業様がおられましたら、お気軽に当研究所に御相談や、コンタクトを頂けますと幸いです。

この記事の執筆者:紙メディア研究所編集部

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